ジョージア工科大、ZnOナノワイヤを使ったピエゾ抵抗型メモリを開発。バイオと電子回路のインターフェースに応用

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ジョージア工科大学が、ピエゾ抵抗効果を利用した新規メモリを開発したとのこと。デバイスの材料には酸化亜鉛(ZnO)のナノワイヤを使用。ZnOに圧力をかけると抵抗が変化する性質を利用することで、電気機械的な調整によるデータの読み書きを可能にしました。

ZnOナノワイヤを使ったピエゾ抵抗型メモリデバイス (Image courtesy of Georgia Institute of Technology)

研究チームのZhong Lin Wang氏は、このデバイスが「バイオ分野の機械的な動きと従来の電子回路の間をつなぐインターフェースとして応用できる」と言います。

ZnOのような圧電半導体材料は、力をかけて歪ませると抵抗が変化するピエゾ抵抗効果を持っています。この性質を利用して抵抗変化を電気的に検出することにより、機械的な動きを電気信号として捉えることができます。

従来の半導体メモリで使われている電界効果トランジスタは、トランジスタの外部からゲート電圧をかけてソース・ドレイン間の電流の流れをオン・オフ制御します。これに対して、ピエゾ抵抗型メモリ(PRM: Piezoelectrically Modulated Resistive Memory)の仕組みは次のようなものです。まず、ZnOナノワイヤに機械的な力を加えると電荷が発生します。この電荷によってナノワイヤに極性が生じるため、抵抗が増加します。この抵抗変化が、従来のトランジスタのゲート電圧と同じように電流を制御する役割を果たすのです。

ここでいう機械的な力は、ペンで名前を書くときの動き、ナノロボットのアクチュエータの動作、心臓の鼓動のような人体の生物学的活動など、多様なものが考えられます。

ピエゾ抵抗型スイッチングデバイスにおいて、電流の流れる方向は、力が引っ張り方向に働くか、圧縮方向に働くかに依存して一方向に決まります。これは、ピエゾデバイスに保存される記憶がサイン(極性)とマグニチュード(振幅)を備えているということを意味します。このような形式の情報に対しては、従来のメモリと同様に読み出し、書き換え、保存、消去などの処理を行うことが可能なのです。

ZnOナノワイヤの大量合成技術を用いて、ジョージア工科大の研究チームは、記憶媒体として使用することのできるピエゾ抵抗スイッチング型の不揮発性メモリを開発しました。ZnOナノワイヤの寸法は直径約500nm、長さが約50μmとなっており、高温炉内で物理気相成長法(PVD)を用いて形成されます。こうしてできた構造には、結晶欠陥を低減するために酸素プラズマ処理を施します。欠陥を減らすことで導電性の制御がしやすくなるからです。スイッチング電圧は構造中の酸素空孔の数に依存して調整可能です。酸素プラズマ処理によって欠陥を減らせば減らすほど、電流の駆動に必要な電圧が上がります。このようにして形成されたナノワイヤの配列は、フレキシブル基板上に移されます。

Wang氏によれば、PRMは低い周波数で動作するため、生体信号の記録に適しているとのことです。

PRMの技術は、自立電源型のNEMS(ナノエレクトロメカニカル・システム)に必要な他の部品にも使えます。Wang氏の研究チームはすでにナノ発電機、センサ、無線送信器なども開発しており、「現在の課題はこれらの要素を1つのチップ上に統合できる程度まで微小化すること」としています。

原文 http://bit.ly/ozbOHZ
訳 SJN

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