マンチェスター大、穴あきグラフェンの自己修復能力を発見

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マンチェスター大学が、グラフェンの自己修復能力を発見したと報告している。グラフェンに開いた穴が自然にふさがる現象の観察に成功したという。この研究は、英国科学技術施設研究会議STFC配下のダーズベリー研究所に設置された SuperSTEM を利用したもの。2012年7月5日付の Nano Letters に論文が掲載されている。

Pd原子を起点にしてグラフェンに穴が開く様子 (出所:マンチェスター大学)

研究グループのリーダーは、グラフェンの発見により2010年のノーベル物理学賞を受賞した Kostya Novoselov 教授。金属とグラフェンの相互作用について研究を行うために、原子1個単位での材料特性を調べられる高性能電子顕微鏡 SuperSTEM による観察を行った。

グラフェン膜上にパラジウムなどの金属原子があるとき、そこを起点にグラフェンに穴が開き、パラジウムの供給を続けることで穴が広がっていく現象が、研究チームによって報告されている。穴の端部からパラジウムを取り除くと、穴の拡大は止まる。

研究チームは、この後、グラフェンに開いた穴が自然に修復されていく様子を観察した。修復に使われる炭素原子は、穴の近傍にある炭素ベースのコンタミネーションから供給されるという。

グラフェンに開いた穴が自然に塞がっていく様子 (出所:マンチェスター大学)

自己修復された部分のグラフェンの結晶では、通常の6員環の炭素に加えて、5員環や7員環がほぼランダムに混在しており、ときには8員環も含まれている。5・7・8員環の結晶欠陥は、格子空孔の解離によって生じている可能性があり、転位双極子を構成すると考えられる。一方、グラフェンに開いた穴が小さい場合には、6員環炭素だけで完全な修復がなされるという。


発表資料

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