AMAT、3次元NANDフラッシュメモリ向けの絶縁膜エッチング装置発表。80:1の高アスペクト比を実現

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アプライド マテリアルズ(AMAT)は、次世代3次元NANDフラッシュメモリ向けの絶縁膜エッチング装置「Applied Centura Avatar」を発表した。80:1という高アスペクト比のホールやトレンチが形成できる。チャンバ30基以上がすでに客先に出荷されているという。

深さが大幅に異なる形状の同時かつ精密なエッチングも可能となった。これは、各メモリセル層と外部を接続する階段状のコンタクト構造を形成する上で不可欠な機能であるとする。同社バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー(エッチング事業グループ)のプラブ・ラジャ氏は、Avatarについて「これまで解決されていなかった3Dメモリ構造の製造課題、すなわち複雑な多層材料スタックに深い形状をエッチングするという難題を克服した」とコメントしている。

3次元NANDメモリアレイでは、最大64層のメモリセルを垂直方向に積層する。これにより、小面積で極めて高いビット密度を持つ新しいフラッシュデバイスが実現できるとされる。

エッチング装置「Applied Centura Avatar」 (写真提供:AMAT)

3次元NANDフラッシュの基本構造は、2次元のセル列をまっすぐに伸ばし、2つ折りにした後、折ったところが底になるよう垂直に立てた形となる。この構造では、ソース/ドレインが最上部にあり、垂直に積まれたメモリセルを挟んで、底部に接続ストリングが来る。実際に3次元NANDフラッシュを製造するには、数十億個ものコンタクトをつけ、極めて高いアスペクト比を実現しなければならない。このため、エッチングプロセスには非常に複雑な課題が伴うとされる。

第1の課題として、マスク開口に関するものがある。これは後のエッチング工程をガイドするテンプレート作成プロセスで、マスク厚が従来のエッチングよりもはるかに厚いことに加え、アスペクト比も約20:1に増加するため、スループット要件を満たすには高いエッチング速度が必要となる。また、マスクエッチングの精度への要求も極めて高くなる。マスク開口工程でエラーが生じると、スタック全体が影響を受けるからである。

次の課題として、異種材料の積層膜を貫通しながらトレンチのエッチングを進めることが挙げられる。また、トレンチの形状については、垂直方向で30:1、水平方向ではそれ以上という高アスペクト比が要求される。安定したデバイス性能を得るには、弯曲や歪みなく、長い形状に沿って真っ直ぐ下方にトレンチをエッチングしなければならない。これに続くコンタクトホールのエッチングでも、ゲートトレンチと同様に異なる材料の積層膜を貫通させる必要があり、およそ60:1ものアスペクト比が要求される。異なる材料の積層膜を貫通する完全に垂直なエッチングを施さないと、コンタクトパッドに正確に到達できない恐れがある。

3次元NANDフラッシュの基本構造 (出所:AMAT)

3次元NANDフラッシュにおけるエッチングプロセスの課題 (Source: VLSI and IEDM publications)




階段状コンタクトのエッチングを経済的に実施するには、低アスペクト比と超高アスペクト比の形状を同時に加工する必要がある。すなわち、浅い形状のエッチングは下の層に達したところでストップさせる一方、高アスペクト比の形状についてはエッチストップやプロファイルの歪みを排除して、エッチングを継続することになる。

Avatarは、独自の高周波プラズマソース、マルチ周波数バイアスソース、ステップ別温度制御機能を備えることで、これらの課題を克服したとする。エッチング速度も極めて速く、最適な生産性を得られるという。同社では、2012年7月10~12日に米国サンフランシスコで開催されるSEMICON West 2012にて、Avatarなど半導体製造の新技術を紹介する予定。


発表資料

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