アイトリックス、グラフェン成膜体験コースを開設

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アイトリックスでは、2012年7月から「グラフェン成膜体験コース」のサービス提供を開始する。同社が販売するグラフェン成膜装置の購入検討者が対象で、実際の装置を使った銅箔上へのグラフェン成膜とPET基板へのグラフェン転写を体験できる。体験の所要時間は約4時間。作製した銅箔およびPET上のグラフェン(サイズ80mm□)各2枚は持ち帰ることもできる。

体験コースでは、山形県米沢市の同社R&Dセンター内に設置された装置を使う。受講費用は1人25万円(税別)で、1チーム3人まで受け入れる。3人で受講する場合の受講費用は35万円(税別)となっている。

石英管を装置にセット (写真提供: アイトリックス)

銅箔エッチングの様子(写真提供: アイトリックス)

同装置によるグラフェン成膜では、真空のガラス管内に銅箔を入れ、炭素源であるメタンガスを流しながら約1000℃で熱CVDを行う。30分程度で銅箔上にグラフェンが成膜されるので、グラフェンを中間媒体に一度移して銅箔をエッチングしてから、PETフィルムなどの基材に転写する。アイトリックスでは、購入検討者に実際にこのプロセスを体験してもらうことで、装置販売につなげたい考え。同社代表取締役社長 長谷川正治氏は「グラフェンサンプルと成膜装置の販売を開始し、注文も順調に増えているところ。顧客サイドから、購入を決める上で一度装置を動かして成膜したいという要望が多数あるため、体験コースを設けることにした」と話す。

同装置は、韓国ソウル大学のByung Hee Hong教授らが創設したベンチャー企業グラフェンスクエア(GSQ)が開発した。最大700mm×400mmの大面積で単層グラフェンを成膜できる。全体面積の95%以上のエリアで単層成膜できることに加え、結晶欠陥のない高品質なグラフェンが得られるという。

グラフェンは、炭素原子がハチの巣状に結合し、原子1個分の厚みで平面に広がった材料。2004年にグラフェンを発見した英国マンチェスター大学のアンドレ・ガイム教授とコンスタンチン・ノボセロフ教授は、2010年にノーベル物理学賞を受賞した。グラフェンに関する研究開発は、ここ数年で非常に活発化しており、トランジスタ材料や透明電極、センサなど、電子デバイス分野への応用例も多数報告されるようになってきた。


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「アイトリックス、グラフェン成膜体験コースを開設」への2件のフィードバック

  1.  島根県安来市に巨大な工場を構える日立金属が開発した新型冷間工具鋼 SLD-MAGIC(S-MAGIC)は微量な有機物の表面吸着により、金属では不可能といわれていた自己潤滑性能を実現した。この有機物の種類は広範囲で生物系から鉱物油に至る広い範囲で駆動するトライボケミカル反応を誘導する合金設計となっている。潤滑機械の設計思想を根本から変える革命的先端材料というものもある。
     このトライボケミカル反応にもノーベル物理学賞で有名になったグラフェン構造になるようになる機構らしいが応用化の速度にはインパクトがある。

  2. 先日、その高性能工具鋼の自己潤滑性とかいう話を日本トライボロジー学会で聞いたが、モリブデンとかカーボン、それにDLCコーティングなどの怪しげな論説とも整合し、油中添加剤の極圧効果にも拡張できる話は面白かった。そのメカニズムをひらたくいえば世界初の本格的ナノマシンであるボールベアリング状の分子性結晶が金属表面に自己組織化されて、フリクションが良くなるということらしい。

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