グラフェン・デバイス実用化の鍵は「水」、モナシュ大が報告。グラフェンをゲル状に湿らせて高性能二次電池を実現へ

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モナシュ大学 Dan Li博士らの研究チームが、水を利用してグラフェンの特性を積層状態で維持する技術を開発したとのこと。これにより、グラフェンを蓄電デバイスとして実用化する道が開けると期待されています。実現すれば、リチウムイオン電池と同等の性能があり、しかもわずか数秒間で急速充電でき、寿命もほとんど永久というエネルギー貯蔵システムが、黒鉛と水というありふれた材料の組み合わせで製造できることになります。

水を含ませたグラフェン・シート(Credit: Gengping Jiang)

グラフェンは、黒鉛を薄片状に剥離して得られる原子1個分の厚さしかない薄膜です。グラフェンには、強度、化学的安定性、優れた電気伝導性、表面積の多さなど、優れた特性がありますが、あまりに薄すぎるという理由からデバイスへの実用化は進んでいません。デバイスとして利用可能なマクロ構造体へとグラフェンを積層すると、各層が互いに結合し、黒鉛の状態に戻ってしまうからです。積層されたグラフェンでは表面領域がほとんど失われ、グラフェン的な挙動はなくなります。

今回Dan Li氏らは、分離されたグラフェンシートの優れた特性を維持するための鍵を発見しました。それは「水」です。グラフェンを湿ったゲル状に保つことで、膜のあいだに反発力を与えて再結合を防ぐことができるというのです。これにより、グラフェンの実用化が可能になるとします。

「この技術は非常にシンプルであり、スケールアップも容易です。水とグラファイトという基礎的で安価な材料を使って、驚くべき特性を持ったナノ材料を作ることができるのです」とLi氏。

同技術は、iPhoneなど電子デバイスの急速充電用途だけでなく、再生可能エネルギー向けの高速・高信頼性・低コストなエネルギー貯蔵システムとしても有望とのこと。こうしたシステムは電気自動車の普及拡大にあたっても鍵となります。また、グラフェン・ゲルは、水質浄化膜、バイオ医療向けのデバイスやセンサへの利用でも有望視されています。

原文 http://bit.ly/nsuuOx
訳 SJN

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