「燃料電池の膜材料を引っ張ると電池性能が向上」バージニア工科大が発見

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バージニア工科大の研究チームが、燃料電池の効率向上と出力増強、そして低コスト化を可能にする方法を見つけました。彼らが発見したのは、具体的には、水やイオンの流れやろ過の速度を上げる方法です。これらは、燃料電池が作動するために不可欠なものです。

水分子(赤と白)がイオン・ナノチャネル(青)の内部を 通る様子

今回発見されたプロセスは、エネルギーと環境に関連する幅広い用途、ろ過に関わる様々な工業プロセスに対して重要なものとなる可能性があります。例えば、自動車用電池、水の脱塩装置、ロボット用の人工筋肉の製造などもそうです。

「私がこの実験を思いついたのは、ノースカロライナ大でBob Mooreがナフィオン(イオン伝導性ポリマー)について話しているのを目にした後のことでした。その頃、私はポスドクで液晶を研究していたんですが」とチームリーダーのLouis A. Madsen氏は語ります。

(左)引っ張りを加えない時の膜のサンプル (中)1:2の比率で引っ張ったとき (右)1:4の比率で引っ張ったときイオンチャネルが最もよく整列する

ポリマー電解質膜の性能を向上させるため、Madsen氏とMoore氏は、ナフィオンを通過する水が実際にどんな動きをするのかを分子レベルで研究し、材料構造の変化が水の流れに及ぼす影響を測定しました。そして彼らが見出したのは、ナフィオンを引っ張ることによってポリマー電解質膜材料のチャネルが引っ張り方向に整列し、水がより速く流れるようになるということでした。

「引っ張ることが、整列の度合いに大幅な影響を与えるんです」とMadsen氏は言います。「そのため、分子は引っ張り方向に沿ってより速く動くようになり、また動きが非常に予測しやすくなります。これらの材料は事実、液晶と共通する特性を持っています。つまり、分子がそれぞれ同じ向きに並ぶという性質です。液晶テレビや液晶プロジェクタなどは、すべてこの性質を利用しています」

「これは非常に巧妙なアプローチであり、学際的な材料研究の優位性を実証しています。また、エネルギー技術と天然資源の持続可能性に対して重要な利点を与える可能性もあります」とAndy Lovinger氏は言います。彼はこの研究への資金助成を行ったNSF材料研究部門ポリマープログラムのディレクターです。

ナフィオンは1960年代に発見された材料であり、焦げ付かず丈夫なテフロンの特徴と酸の性質である導電性を組み合わせた分子から構成されています。それは水やイオンのろ過に使われている数多くのポリマー電解質膜の一つであり、他の膜についても、この引っ張りプロセスが有効に働く可能性があると研究チームは述べています。

原文 http://1.usa.gov/jJUXkq
訳出 SJN

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