LED製造用MOCVD装置、市場減速は2012年上期で底打ちか ― IMSリサーチが予測

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IMSリサーチが、GaN系LED製造に使われるMOCVD装置の市場調査結果を発表しています。2012年の同装置の出荷台数は前年比46%減の342台と予測。出荷台数は2012年上期に最低水準となり、同年下期には緩やかな回復基調に戻るとしています。回復の要因は、2013年にLED照明向けの需要が急増すると予想されることから、LEDメーカーが追加の設備投資を開始するため。

MOCVD装置の出荷台数と成長率の推移 (source: IMS Research)

MOCVD装置市場は、LEDバックライト搭載液晶テレビ向けの生産能力増強の必要から2009~2010年に急拡大し、2010年下期にピークを迎えました。2011年に入ると市場は減速するも、政府助成を背景とする中国の新規メーカーや中国・台湾合弁メーカーの市場参入があったため、前年下期の供給過剰にもかかわらず出荷レベルは堅調に推移。その後は、2011年における供給過剰の拡大、中国政府の助成金がほとんどの地域で終了したことなどを受け、出荷台数・受注台数ともに失速が続いています。

MOCVD装置の供給過剰を引き起こした要因としては、中国の助成金政策に加え、マクロ経済の停滞による需要予測の下振れ、LEDバックライトテレビの普及が期待ほど進まなかったこと、パネル1枚当たりのLED使用数が減少したことが挙げられます。さらに、LED照明市場もまだ相対的に小規模にとどまっています。これらの結果として、2011年下期にMOCVD装置の受注が急減したため、2012年上期の売上高も低下する見込みです。

アイクストロンのMOCVD装置。4インチウェハー×14枚同時処理タイプ (credit: AIXTRON)

IMSリサーチのアナリスト Jamie Fox氏は「2010年第3四半期には239台、同第4四半期には238台のGaN系MOCVD装置が出荷された。これが市場のピークだった。これ以降は、ほとんどの四半期で減少が続いている。2012年には、第1~3四半期の累計出荷台数がピーク時の1四半期分程度になると予想される。中国を除けば、市場はほとんど静止している。もし中国の成長がなければ、市場はほぼ完全に破たんしているだろう」とコメント。ただし、厳しい環境に置かれている2012年の予想出荷台数(342台)が、2009年(224台)と比べればなお52%高いということは注目に値するとしています。

2011年第4四半期の出荷台数は前期比で増加しましたが、これは中国でのいくつかの大型受注案件が納期を迎えたためです。特にこの恩恵を受けたのはアイクストロンでした。これに対して、2012年第1四半期には、前四半期の半分程度まで出荷台数が落ち込むことは必至と見られています。

その他、IMSリサーチは次のようなデータも報告しています。

  • 2011年のMOCVD市場は中国向けが76%を占めた。同年第4四半期には同92%となり、市場はピークに達した。
  • 2011年第4四半期の市場はアイクストロンが牽引したが、2011年通年ではビーコ・インスツルメンツがトップシェアを獲った。
  • 2011年第4四半期の購入企業トップはYangzhou Zhongke、2011年通年のトップはSanan。
  • 2012年の購入企業トップは、Elec-Techとなる見込み。
  • LED1次受けメーカーではウェハー径4インチ・6インチ対応がトレンドになっているが、中国メーカーが2インチウェハーに依存しているため、市場は依然として2インチが主流。


発表資料

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