「プルトニウムは鉄を隠れ蓑にして哺乳類の細胞内に入り込む」米アルゴンヌ国立研究所が報告

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プルトニウムは1941年に初めて作られた元素であり、哺乳動物の生体組織にはプトニウムを認識する能力が備わっていません。このため、科学者たちはプトニウムの体内取り込みに対する細胞機構の働きに関心を持ってきました。米アルゴンヌ国立研究所では今回、ラットの副腎細胞を少量のプルトニウムに曝露し、細胞が放射性物質をどのように蓄積していくかを観察しました。

(Image courtesy of Argonne National Laboratory)

研究チームは、高エネルギーX線装置を使って、細胞への鉄の取り込みを担う「トランスフェリン」と呼ばれるタンパク質の特性を明らかにしました。個々のトランスフェリンは、NおよびCと呼ばれる2つのサブユニットから構成されており、通常はこれらのサブユニットが鉄と結びつきます。さらに、これとは別にトランスフェリン受容体というタンパク質があり、この受容体がNとCの両サブユニットを認識すると、分子の細胞取り込みが許可されます。2つのサブユニットが両方ともプルトニウムと結びついている場合には、トランスフェリン受容体はトランスフェリンを認識せず、取り込みは行われません。

研究チームが発見したのは、Nサブユニットが鉄と結びつき、Cサブユニットがプルトニウムと結びついているとき、このハイブリッド型が通常の鉄タンパク質と非常によく似ているため、細胞が欺かれて取り込みが許可されてしまうということでした。

「プルトニウムと生体組織の相互作用については長年研究されてきましたが、細胞内へのプルトニウム取り込み経路が確定的に特定されたのは今回が初めてです」と研究リーダーの化学者 Mark Jensen氏は言います。

アルゴンヌ研究所では、今回の研究によって、プルトニウム取り扱い業務従事者の安全面が強化されると同時に、核燃料に使用されている物質から放射性元素を分離するための「生体からヒントを得た」新しい手法が明らかになった、としています。

原文 http://1.usa.gov/pgCTiW
訳 SJN

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