トゥウェンテ大ら、車道での振動発電実験を実施。耐久性などの問題も浮かぶ

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Facebook

自動車が通過するときの道路表面の振動によって発電を行う実験がオランダで行われたとのこと。振動発電の応用可能性や問題点について、様々な知見が得られたといいます。

路面に狭い溝を掘って、圧電素子を収容した鋼鉄製の筺体をその溝にはめ込む。自動車が通過するときの振動を圧電素子で電気に変換する (Image courtesy of the University of Twente)

実験を行ったのは、トゥウェンテ大学と欧州の環境コンサルティング企業Tauwの共同研究チーム。2011年秋、オランダ・オーフェルアイセル州の協力を得て、東部の都市ハーデンバーグ近郊を走る自動車道N34で実施されました。

実験では、制限時速100キロの区間の路面に圧電材料を埋め込んで、自動車の走行時に生じる振動を電気エネルギーに変換。2011年10月から12月にかけて、様々な天候下で装置のモニタリングとデータ収集を継続的に行い、電源としての利用可能性や発電量などを調べました。

調査結果から、研究チームは、路面の圧電材料によって実際に発電が可能と結論。発電量については、道路を通過した車両の数と路面の圧電素子の数に依存するとしました。また、低速度で走る車のほうが高速で走る車よりもやや発電量が大きくなるように見えるといいますが、この点については確認のためにさらなる調査が必要とのこと。

実験期間中に得られた発電量は、信号機や道路灯の電源とするには小さすぎるものの、例えば自動車を感知して信号機に信号を送る無線モーションセンサ用の電源としては十分なものだったといいます。

「既設の道路の表面に圧電素子を組み込むことは困難」とする結論も出されています。実験では、路面に狭い溝を掘り、圧電素子を収容した鋼鉄製の筺体をその溝にはめ込みましたが、最終的に分かったのは通行車両から受ける力に耐えるには鋼鉄の筺体でも十分ではないということでした。12月には筺体がはずれてしまったため、交通の障害にはならなかったものの、当初の計画より数週間早く実験を切り上げなければならなくなったといいます。

既設道路への振動発電の応用は難しいという結論になりましたが、その他の応用については期待が持てると研究チームは考えています。プロジェクトリーダーのSimon Bos氏は、有望なアプリケーションの例として、既設を含む橋・高架橋の伸縮継ぎ手部分を挙げています。

この実験の後、様々な利害関係者から、振動発電の研究をさらに進めたいという問い合わせが研究チームのもとに寄せられているといいます。圧電素子は橋や高架橋だけでなく、道路のコンクリート平板や減速バンプの下、線路の横、排水溝などでも使用可能です。これらのアプリケーションのうち、先行して開発が進んでいるのはコンクリート平板直下での使用。その他の分野はまだ研究段階であるといいます。


発表資料

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...