MIT、三次元ナノ構造を形成する新技術開発。トップダウン型とボトムアップ型を融合

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MITの研究チームが、三次元ナノ構造を形成する新しい技術を開発したとのこと。同技術では、「トップダウン」と「ボトムアップ」という微細加工プロセス技術の二つのアプローチが組み合わされているそうです。トップダウン・アプローチによる三次元ナノ構造形成技術は、位相シフトリソグラフィと呼ばれるもので、二次元のマスクを通してフォトレジスト層に光の明暗のパターンを作る方法です。光が当った部分のレジストだけが変化し、パターンが形成されます。しかし、このアプローチには非常に精細な位相マスクが必要であり、その作製に多くの費用と時間がかかるという問題があります。

▲新技術を使って作製された三次元ナノ構造の電子顕微鏡写真。(上)上方向から見た図。円孔を配列した層と長い柱が並ぶ層が交互に形成されている。(下)横方から見た図。二つのパターンが数層にわたって交互に現れている (Image courtesy of Massachusetts Institute of Technology)

もう一つの方法であるボトムアップ・アプローチは、コロイド状のナノ微粒子がエネルギー的に安定した一定の周密な配列を自ら形成するという自己組織化の性質を利用するものです。この自己組織化された配列は、気相成長のような物理的堆積法や表面エッチングなどのプロセスでマスクとして使うことができます。しかし、この方法には、自己組織化の過程で欠陥が発生するという問題があります。欠陥がいくつもの層に渡って伝搬するということが、自己組織化による三次元構造の形成を難しくしています。

「私たちは、両方のアプローチのいいとこどりをしているんです」と研究メンバーの一人 Chih-Hao Chang氏。「化学者の手法を採用し、そこに工学的なフレーバーを加えたんです」

新しいハイブリッド型の手法は、自己組織化による配列を基板材料上に直接形成し、これにリソグラフィ・プロセスのマスク機能を持たせるというものです。表面上に組織化された個々のナノ微粒子は、それぞれ微小なレンズの役割を果たし、表面上の配列によって決定される明暗のパターンへと光線を集束させます。研究チームは、ナノスケールでの研究の全領域において、複雑な三次元ナノ構造を形成する新技術としてこの方法が使用可能であるとしています。

自己組織化プロセスで使用される微小なガラス玉の形状と配列に応じて、多様な構造を形成することが可能です。「孔、高密度の柱、環、花のような構造など、すべて同一のシステムを使って作ることができます」とChang氏。「それは三次元ナノ構造を形成するための非常にシンプルな方法であり、おそらく今のところ最も安価な方法です。応用範囲はとても広いです」

同チームによれば、この技術を使って作製する最初の構造として計画されているのはフォトニック結晶とのこと。これは結晶中を通過した光線の挙動をその構造によって操作可能にするものですが、同様にして、熱や音波を制御する音響量子材料や、バイオ医療分野への応用が考えられる孔隙率を精密制御したフィルタなども作製可能であるとしています。

原文 http://bit.ly/nJd4PX
訳 SJN

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