DARPA、電磁波と音波を使った消火技術を開発

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米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)が、電磁場と音響学の技術を使った新しい消火方法を開発中とのこと。水や消火剤が使えない特殊な状況での消防活動への応用が考えられ、従来の消火方法と比べて環境負荷も低いとしています。

現在の消火方法は、水や泡、その他の消火剤を噴射して、燃焼にかかわる化学反応を止めることを主眼とするもの。これに対して、今回開発された消火方法は、炎それ自体の原理を利用していると言えるようです。

水による消火は最も基本的な方法ですが、これは周囲の酸素濃度を薄めることによって、二酸化炭素で炎を窒息させるものです。また、ハロンのような化学消火剤には、燃焼プロセスを止める働きがあります。これらの技術には、周囲の建物や財産に巻き添え的なダメージを与えたり、環境負荷が高いなどの限界があります。

様々な種類の火災のなかには、これらの方法が限定的な効き目しか持たないものもあります。既存の消火剤はすべて何らかの物質で構成されているので、火災現場に実際にモノを運び込んで、炎の中でそれを散布しなければなりません。このことは、鎮火までにかかる時間を制約しますし、閉鎖空間や障害物がある場所では消防活動の限界にもなります。例えば、戦車内部や船上、飛行機のコクピットなどでの火災は、戦闘員を危険にさらすことになります。

「私たちは小さな炎を消したり、再発火を防いだり、さらに炎を曲げることなどにも成功しました。これらの効果は今のところ非常に局所的なものであり、規模の拡大はこれから克服すべき課題ではありますが」とDARPAのプログラムマネージャー Matthew Goodman氏は言います。

最近終了したDARPAの瞬時消火プログラム(IFS: Instant Fire Suppression)は、電磁場と音響学による火炎プラズマの不安定化技術を用いた革新的消火システムの実現可能性の立証をめざすものでした。研究チームはハーバード大学で実証実験を行い、手に持った棒状の電極を使って、メタンなどの燃料による小さな炎を消火してみせました(動画参照)。

「私たちの研究は、電磁波・音波と火炎プラズマの相互作用の理解と定量化を進める上でのブレークスルーになりました」とGoodman氏。今後この相互作用についての理解を深め、その作用を火炎プラズマに適用した消火技術の開発を進めていくといいます。


発表資料

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