筒型構造によって太陽電池用集光器が高効率化 ― カリフォルニア大マーセド校

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カリフォルニア大学マーセド校の研究チームが、集光型太陽電池用の発光型集光器(LSC: luminescent solar concentrator)を高効率化できる新構造を開発したとのこと。従来のLSCが平面パネルであるのに対して、今回のLSCは中空の管型であるのが特徴。この形状にすることで、より多くの光を太陽電池に送り込むことができるとしています。

写真上は従来の平面型LSC。写真下のように筒型の形状にするとLSCの効率が向上した (Image courtesy of UC Merced)

「私たちは、従来の平面型LSCにちょっと手を加えて、それを中空の筒状にしてみたんです。すると驚いたことに、効率が断然よくなったんです」

今回の研究成果について、プロジェクトリーダーの物理学教授 Sayantani Ghosh氏はこう話しています。

LSCとは、透明な導光材料の内部に波長変換用の量子ドットを組こんだもの。広い範囲の波長の光をLSCで吸収し、それを発電に有利な特定波長の光に変換して再発光し、太陽電池に送り込む仕組みです。LSCには、散乱光の吸収性が良く、曇りの日でも発電可能で太陽追尾装置などの付帯設備がいらないという利点があります。

一方、LSCの商用化を阻んでいる主な問題は、太陽光の多くをLSC自体が自己吸収してしまうため、太陽電池に光が十分に回らなくなり、変換効率が上がらないということ。いかに自己吸収率を低くするかがLSCの課題となっていました。

Ghosh氏は、「今回の発見によってLSCの商用化が現実味を帯びてきた」と言います。特に、平面型LSCと同じ数の量子ドットを使って性能を強化できるため、筒型にしても追加コストがかからないことを強調しています。筒型LSCはインフラコストを抑えるとともに、壁や窓など建物の垂直面に集光器を組み込むことも可能とのこと。研究チームは今後、筒型LSCを大規模に配列したときのパネルの効率を調べたいとしています。


発表資料

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