東工大ら、新構造の酸化物イオン伝導体を発見

東京工業大学らの研究グループが、新構造の酸化物イオン伝導体であるネオジム・バリウム・インジウム酸化物「NdBaInO4」を発見した。NdBaInO4の結晶構造の決定およびNdBaInO4における酸化物イオンの拡散経路の可視化にも成功した。
東京工業大学らの研究グループが、新構造の酸化物イオン伝導体であるネオジム・バリウム・インジウム酸化物「NdBaInO4」を発見した。NdBaInO4の結晶構造の決定およびNdBaInO4における酸化物イオンの拡散経路の可視化にも成功した。
米ローレンス・バークレー国立研究所とアルゴンヌ国立研究所の共同チームが、燃料電池や水素製造用電解槽などに用いる高活性のナノ触媒を開発した。従来と比べて数十倍高い触媒活性を実現しているという。
京都大学 大学院理学研究科の北川宏教授の研究グループが、パラジウム(Pd)とルテニウム(Ru)が原子レベルで混ざった新しい合金の開発に成功した。PdとRuは2000℃以上の液体状態においても相分離する水と油のような関係であり、原子レベルで混じらないのが常識だった。今回開発された合金は、周期表上でRuとPdの間に位置する最も高価なロジウム(Rh)と等価な電子状態を持つことから、価格が1/3の人工的なロジウムとして触媒などに利用できるとみられる。
九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)水素製造研究部門主任研究者/インペリアル・カレッジ・ロンドンの John A. Kilner 教授の研究グループが、新規高酸素イオン伝導体「Na0.5Bi0.5TiO3」を発見した。固体酸化物電解質燃料電池(SOFC)の低温作動化などへの応用が期待できる。
大阪大学大学院工学研究科の笠井秀明教授らの研究グループが、燃料電池の中で発電効率が最も高い固体酸化物形燃料電池(SOFC)の電解質内部における酸素イオン(O2-)伝導の本質が量子トンネル効果であることを解明した。また、この知見を基に、300℃の低温作動が可能なSOFC用電解質の新材料とデバイス構造の理論設計に成功した。
日本原子力研究開発機構(JAEA)と東北大学の研究グループが、アルミニウムを主原料とする合金を用いて侵入型水素化物(Al2CuH)を合成することに初めて成功した。侵入型水素化物は水素吸収‐放出サイクルが可能であることから水素貯蔵合金として利用されている。燃料電池自動車への搭載にあたり、軽量な材料の開発が求められているが、軽量化に有効なアルミニウムを主原料とする侵入型水素化物の合成について、これまで成功報告はなかった。
北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科の長尾祐樹准教授らが、燃料電池用の水素イオン透過膜の新しい設計方法を提案している。水素イオンを透過させることができる人体中のタンパク質にヒントを得て人工ポリペプチドを合成。その分子鎖の方向を揃えることによって、膜の水素イオン透過性を飛躍的に向上させた。
東京大学大学院工学系研究科の岡本章玄助教、橋本和仁教授、中村龍平助教(現・理化学研究所環境資源科学センター チームリーダー)らのグループが、生きた微生物が電気エネルギーを作り出すメカニズムを解明した。その結果、従来モデルと比較して1000倍以上高い効率で、細胞から電子を引き抜けることを明らかにした。微生物燃料電池の高出力化や、石油パイプラインや船底などの微生物による腐食抑制技術の開発につながることが期待される。
京都大学 理学研究科教授の北川宏氏らが、面心立方格子(fcc)構造を有する金属ルテニウム触媒の開発に成功した。家庭用燃料電池コジェネレーションシステム「エネファーム」では、金属ルテニウム触媒が白金の耐被毒触媒として使用されている。今回開発されたfcc-ルテニウム触媒は従来のhcp-ルテニウム触媒の性能を凌ぐものであり、エネファームの耐用年数が画期的に延びることが期待される。