バークレー研究所ら、活性が数十倍高い燃料電池用ナノ触媒を開発

米ローレンス・バークレー国立研究所とアルゴンヌ国立研究所の共同チームが、燃料電池や水素製造用電解槽などに用いる高活性のナノ触媒を開発した。従来と比べて数十倍高い触媒活性を実現しているという。
米ローレンス・バークレー国立研究所とアルゴンヌ国立研究所の共同チームが、燃料電池や水素製造用電解槽などに用いる高活性のナノ触媒を開発した。従来と比べて数十倍高い触媒活性を実現しているという。
ノースカロライナ州立大学の研究チームが、二硫化モリブデン(MoS2)単原子層薄膜の水素生成触媒性能について報告している。水の電気分解による水素製造に通常用いられている白金触媒と比べて触媒活性は低いものの、安価な原料を使用できるため水素製造を低コスト化できる可能性があるという。
スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究チームが、太陽光を利用した水の電気分解による水素生成デバイスを開発した。白金触媒などの希少元素を使わずに高効率で大規模化可能な太陽光水素製造が可能になるとしている。
スタンフォード大学の研究チームが、太陽光を利用して水を酸素と水素に分解するソーラー電極の低コスト化と耐久性向上に成功した。貴金属触媒を使わずに80時間の連続動作が確認されている。ソーラー電極が実用化されれば、太陽光エネルギーを水素燃料に変換して貯蔵することができるようになる。
日本原子力研究開発機構(JAEA)と東北大学の研究グループが、アルミニウムを主原料とする合金を用いて侵入型水素化物(Al2CuH)を合成することに初めて成功した。侵入型水素化物は水素吸収‐放出サイクルが可能であることから水素貯蔵合金として利用されている。燃料電池自動車への搭載にあたり、軽量な材料の開発が求められているが、軽量化に有効なアルミニウムを主原料とする侵入型水素化物の合成について、これまで成功報告はなかった。
東京大学工学系研究科 田畑仁教授、関宗俊助教らが、安価で身近な素材である赤さび(酸化鉄)を改良することで、高効率の太陽光発電を実現した。ロジウム入りの赤さび薄膜を用いた光電気化学セルで、波長700nm~950nmの近赤外域で光電流を発生させることに成功した。太陽電池や水素生成用光触媒への応用が期待される。
理化学研究所は、新たに合成した多金属のチタンヒドリド化合物に窒素分子(N2)を常温・常圧で取り込ませ、窒素-窒素結合を切断し、窒素-水素結合の生成(水素化)を引き起こすことに成功した。従来に比べ、少ないエネルギーでアンモニア(NH3)を合成できる手法の開発につながると期待される。
シンガポール・南洋理工大学(NTU) Darren Sun 准教授らの研究チームが、水質浄化、水素生成、フレキシブル太陽電池、リチウムイオン電池負極材、殺菌効果のあるバンドエイドなど多目的に利用できる二酸化チタンナノ材料を開発している。二酸化チタンは光触媒性能や親水性といった特性を持っており、安価で容易に手に入る材料であるため、低コストな再生可能エネルギーとクリーンな水の安定供給に広く応用できる可能性がある。
カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)の研究チームが、水中の金ナノ粒子と太陽光エネルギーを利用し、水から水素と酸素を発生させる新しいタイプの太陽エネルギー利用法を開発した。金ナノ粒子に太陽光が当たると、表面プラズモン効果によって電子が励起し、電子と正孔のペアが生成される。この電子正孔対を使った酸化還元反応によって、水から水素と酸素を発生させることができる。