理研、室温スキルミオン格子の構造転移を発見

理化学研究所(理研)らは、室温でスキルミオン格子を示す物質を磁場中で冷却すると、非常に広い温度・磁場領域でスキルミオン格子が存在できること、冷却過程でスキルミオン格子が三角格子から四角格子へ構造転移することを発見した。
理化学研究所(理研)らは、室温でスキルミオン格子を示す物質を磁場中で冷却すると、非常に広い温度・磁場領域でスキルミオン格子が存在できること、冷却過程でスキルミオン格子が三角格子から四角格子へ構造転移することを発見した。
筑波大学・KEK・北海道大学の研究グループが、量産に適した成膜手法であるスパッタリング法を用いて、良質なコバルトフェライト単結晶薄膜を作製することに世界で初めて成功した。この薄膜について磁気特性および結晶構造の評価を行ったところ、白金などの貴金属を含む磁性材料に匹敵する強い垂直磁気異方性を有することを見出した。貴金属を用いない高性能な垂直磁気記録方式のHDDの記録媒体を実現できる可能性が示された。
首都大学東京、京都大学、大阪市立大学、大阪大学、広島大学の研究チームが、非磁性の単純金属であるパラジウム-コバルト酸化物の磁場による電気抵抗の変化(磁気抵抗効果)を測定し、巨大磁気抵抗効果が現れることを発見した。磁場がゼロのときと比べ、磁場中では電気抵抗が最大で 350 倍まで増加した。ハードディスクなどのデータ読み出しに使われている磁性体多層膜の巨大磁気抵抗効果に匹敵する非常に大きな抵抗変化となっている。
東北大学の研究チームが、磁気の流れによって発現する新しい磁気抵抗効果を世界で初めて発見した。「スピンホール磁気抵抗効果」と呼ばれる現象で、非磁性金属と磁性絶縁体を接合させたときに発現する。スピンホール磁気抵抗効果を用いると、磁性体に電流を流さずに、隣接する非磁性金属に磁気抵抗効果を引き起こすことが可能となる。このため、磁性体における発熱や化学反応、磁気特性の劣化の少ない長寿命な新機能磁気デバイス開発への応用が期待される。
IBMの研究チームが、電子の代わりにイオンの流れを用いた不揮発性デバイスの動作技術を実証した。既存のシリコン半導体チップに比べて、不揮発性メモリおよび不揮発性ロジックの消費電力を低減できるとみられる。デバイス微細化の物理的限界に近づいているシリコンを超える新規材料技術として注目される。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)を中心とする研究チームが、電圧印加によってデータ書き込みを行う新型の磁性メモリ MeRAM(Magnetoelectric Random Access Memory)を開発した。スピン注入メモリ(STT-RAM)の1/10~1/1000の低消費電力、5倍超の記録密度を実現できるという。
カリフォルニア工科大学の研究チームが、光を数nmの細さに集束できる光導波路デバイスを開発したとのこと。コンピュータ、情報通信、イメージングなどの分野での多様な応用が期待される。
マサチューセッツ工科大学(MIT)を中心とする研究チームが、「量子スピン液体」と呼ばれる状態にある磁性体の存在を実験で確認した。量子スピン液体状態の磁性体は固体の結晶だが、物質を構成する個々の粒子の磁気方向が絶えず変動しており、あたかも液体中の分子のように振舞う。強磁性、反磁性につづく第三の基本的な磁性の状態であるとされる。
超低電圧デバイス技術研究組合(LEAP)が、2012年12月19日、つくば国際会議場で「低炭素化社会を実現する超低電圧デバイスプロジェクト成果報告会」を開催した。同プロジェクトは、2010~2014年度の5年間の研究開発事業で、論理回路、1次メモリ、高速ストレージ、大容量ストレージといった情報処理装置の各階層に最適化した超低電圧デバイスの実現をめざす。